SiriやGoogleアシスタントなどが搭載されたスマホで使っている方はたくさんいます。「Hey Siri」とか「OK google」とスマホやタブレットに向かって話しかけたことがある人も少なくないはずです。音声認識技術を使って様々なタスクを実行してくれるこれらのツールは「AIアシスタント」と呼ばれます。
この記事ではAIアシスタント技術やその技術を搭載しているツールを5つ紹介したいと思います。AIアシスタントという言葉を聞いたことがあっても、具体的にどんなツールなのかは知らないという人は必見です。
1.AIアシスタントの代表的な種類5選
では早速AIアシスタント技術を搭載した便利なツールを5つご紹介したいと思います。どのツールもすでに市場で多くの人気を得ているものばかりです。
ECサイト大手!Amazonの「Alexa(アレクサ)」
まずはショッピングサイトで有名なAmazonの製品「Alexa」を見てみましょう。Alexaは日本語でもリリースされているので、すでに家庭やオフィスでAlexaを使っている方も多いでしょう。Alexaには以下のような機能があります。
・音楽や動画の再生
「アレクサ、○○(アーティスト名)をかけて」と聞くと関連音楽を再生したり、「アレクサ、音を大きくして」と言うとボリュームをあげたりします。Amazon musicやSpotifyなどの音楽サービスと連携して膨大な数の楽曲から再生できます。ラジオをつけたり特定の本を読み上げさせることもできます。
・通話&メッセージ機能
「アレクサ、○○に電話して」と話しかけると友達や家族への通話タスクを実行できます。また「アレクサ、メッセージを送って」と言った後にメッセージを録音・特定の相手に送ることもできます。
・ニュースアクセス機能
「アレクサ、天気を教えて」、「アレクサ、○○(スポーツ)情報を教えて」、「アレクサ、上映中の映画は?」などと話しかければ興味のあるニュースにアクセスできます。
・検索機能
「アレクサ、近くのガソリンスタンドを教えて」、「アレクサ、カナダの首都はどこ?」など調べたい情報を音声だけで検索してもらえます。
・スケジュール管理や身の回りのTo Doリスト管理
「アレクサ」と話しかけて、タイマー設定やTo doリストにタスクを追加したりなどできます。銀行口座の残高を確認したり、タクシーを配送させたりということもできます。
・家電制御
ライトをつけたりルンバに特定の場所を掃除させたり、テレビや扇風機をONにしたりできます(アレクサに対応している家電が対象)。
・ショッピング
「アレクサ、ドッグフードを頼んで」、「アレクサ、注文した商品はどこにある?」などと話しかけると、Amazonで買い物をしたり配送状況を確認してくれたりします。
Alexaを使うためには「Amazon Echo」と呼ばれるデバイスを購入したり、スマホのアプリをインストールする必要があります。また、家電制御などのためにはAlexaに対応した家電が必要です。
なおAmazon Echoに代表されるようなスピーカータイプのAIアシスタントは「スマートスピーカー」と呼ばれますが、2019年8月の「Canalys(市場調査会社)」の発表によると、Amazonがこの市場では単独トップです。
Alexaサイト:https://www.amazon.co.jp/meet-alexa/b?ie=UTF8&node=5485773051
Cortana(コルタナ)搭載のスマートスピーカー!Microsoftの「Invoke(インヴォウク)」
続いて紹介するのは、あのMicrosoftのAIアシスタント「Cortana」を使った「Invoke」というスマートスピーカーです。Invoke自体はAIアシスタントではなく、Cortanaを実装する商品です。CortanaはWindows10などに搭載されたAIアシスタントで、様々なタスクの手助けをしてくれます。そのCortanaを活用したInvokeでは以下のような機能が使えます。
・日常タスクの実行
アラームの設定や天気やニュース、交通情報などを収集し提示する機能です。
・音楽ストリーミング
SpotifyやTuneInなどのミュージックストリーミングサービスをサポートしています。
・Skypeとの連携
Invokeは「Harman Kardon」という音響メーカーの製品ですが、Skypeと連動させてSkypeスピーカーとしても機能します。またハンズフリー発着信ができます。
Invokeは鳴り物入りで市場に投入されましたが、残念ながら日本では未発売なのでそれほど注目されてはいません。そのため情報はかなり少ないです。
Harman Kardonサイト:https://eu.harmankardon.com
あらゆる生活シーンをサポート!「Google Home」
Googleが開発したAIアシスタントは「Googleアシスタント」ですが、この技術を家庭で利用するために製品化されたのがGoogle Homeです。こちらはすでに日本でも発売されています。Google Home端末には形状や仕様が異なる数種類の端末があり、どれもシンプルながらオシャレなデザインなので人気を集めています。Google Homeの機能には以下のようなものがあります。
・音楽再生
搭載スピーカーによってSpotifyなどの音楽サービスと連携して好きなミュージックを再生できます。
・情報検索
スケジュールやニュース、クーポン情報、スポーツニュースなど知りたい情報を音声認識で手に入れることができます。
・エンターテインメント
Chromecastと連動して映画や音楽のストリーミングができます。
・照明操作
「OK Google、電気を消して」と話しかけるだけで照明調節ができます。
・翻訳機能
知りたい外国語を音声操作だけで知ることができます。
Google Homeサイト:https://store.google.com/jp/product/google_home_learn
スマートフォン版「Google Assistant(グーグルアシスタント)」
上記のGoogleアシスタント技術は、スマートスピーカーだけではなくスマホにも搭載されています。Google Homeと同じく「OK Google」とスマホに話しかけて様々なタスクを実行できますが、今や多くのスマホデバイスに機能が搭載されています。スマホ版では以下のような機能が実装されています。
・スケジュール管理
スマホに話しかけるだけでリマインダーを設定したりスケジュールの確認をしたりできます。
・音楽再生
お気に入りの曲の再生がスマホに触れずに声だけでできます。
・メッセージの確認や送受信
Googleアシスタントを起動すれば受信メッセージの確認や読み上げをしてもらえます。メッセージを特定の相手に送ることも可能です。
・写真検索
「私の○○(場所)での写真」といった感じで話しかけると、該当する写真をピックアップしてくれます。
・情報検索
天気や経済や交通などに関する最新情報をリアルタイムで検索できます。翻訳機能もあり、「○○語で○○は何て言う?」と話しかけるとすぐに答えを返してくれます。
スマホ版Googleアシスタントサイト:https://assistant.google.com/intl/ja_jp/platforms/phones/
AIアシスタントのパイオニア的存在!「Siri(シリ)」
最後に紹介するのはApple社のSiriです。Siriを通してAIアシスタントを始めて利用したという人も多いのではないでしょうか。SiriはiOS向けのAIアシスタントで、すでにiOS5から搭載されていて、iphoneやiPadなどで利用可能です。Siriでは以下のようなタスク操作が可能です。
・電話機能
「Hey Siri」と話しかけて特定の相手に電話をかけることができます。またメッセージを送ることも可能です。AppleのコミュニケーションツールであるFacetimeを起動させることもできます。着信を受けたときに発信者が分からないとしても、Siriが推測してくれます。
・スケジュール管理
「朝〇時に起してほしい」とか、「○○を計算して」「○○の予定を覚えておいて」など日常生活の様々なスケジュール管理やタスクを実行してくれます。指操作なしで音声操作だけで可能なので非常に便利です。
・楽曲再生
Apple Musicと連携してSiriがユーザーの好みの曲を見つけてきたり、好きなタイミングでアルバムをかけてくれたりします。「この曲の名前は?」と尋ねればアーティスト名や曲名を答えることもできます。
・スマート家電の制御
照明を声で操作したり、自宅のドアや照明、窓の状態などを確認できます。「部屋の温度を上げて」と頼めば空調と連動して温度を操作することも可能です。
Siriサイト:https://www.apple.com/jp/siri/
2.まとめ
5つのAIアシスタントや、その機能を搭載した商品を紹介しました。それぞれの商品やサービスには、かなりたくさんの機能がつまっているのですべては紹介できませんでしたが、すでにAIアシスタントは私たちの生活を大きく変え始めています。いずれ音声操作だけでほとんどのタスクを実行してもらえるようになるかもしれません。
Googleによるとネットユーザーの中にはタイピング入力ではなく音声入力による検索を好む人がかなりたくさんいるようです。手を動かすよりも口を動かす方が楽なので、いずれAIアシスタントの技術は日常生活やオフィスの様々なシーンで活用されるようになるでしょう。AIアシスタントを搭載したスマートスピーカーはどれもリーズナブルなものばかりなので、一度導入を検討するのはいかがでしょうか。